サステナブルな暮らしをはじめるには?簡単に実践できるアイデア集

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SDGs・エシカル・サステナブル……
わたしたちの暮らしの中で、今までにない「新しい響きの言葉」が次々と登場するにつれて、具体的にどんな行動をとるべきか悩んでいる人は多いでしょう。

でも、実際に起こす行動を考えてみると、わたしたち個人・家族単位でも、できることがたくさんあります。
毎日の衣・食・住に目を向けつつ、一人ひとりが小さな取り組みを始めることが、地球の未来をみんなで考えることにつながります。

これからご紹介するアイデアは、きっと誰にでもできて、ちょっとだけ心をワクワクさせてくれるはず。
気になるアイデアがあったら、ぜひ試してみて欲しいと思います。

サステナブルなファッションを楽しむ3つのアイデア


ファッションにおけるサステナブルな取り組みと聞くと、自然環境・社会に対する配慮が行き届いている企業を選ぶイメージを持つかもしれません。
しかし、誰もがそのようなファッションブランドを選べる環境で暮らしているとは限りませんし、希望するサイズ感の服を選べないことも考えられます。

環境等に配慮したブランドを選ぶことだけが、自然環境を守ることにつながるわけではありません。
まずは、サステナブルなファッションを楽しむために知っておいて欲しい、3つのアイデアをご紹介します。

長く着られる服を探す

低価格の衣類が大量生産・販売されるファストファッションは、日本でも広く受け入れられてきましたが、一方で多くの問題を生んでいます。
安い服を作るためには、当然ながら原価も安く抑えなければならず、世界のどこかで児童労働・人体に害のある薬品の取り扱い・長時間労働などが起こっています。

また、たくさん服を作ってそれらが売れればよいものの、残念ながら在庫が生じてしまうことは珍しくありません。
その分、リサイクルが追い付かない衣類は廃棄されてしまい、地球における限られた土地の一部を埋立地として使用する結果を招いてしまうのです。

しかし、自分が毎日のように着続けても違和感がない「長く着られる服」を見つけられれば、無駄に服を買い増す必要がなくなります。
よって、間接的にファストファッションの立場に加わらないことを示せます。

以下のようなポイントに絞って服を選ぶことで、多少お値段は高くついても、満足度の高い買い物ができるはずです。

・流行を意識しなくても着られる普遍的なデザイン
・繰り返し着てもヨレにくい耐久性
・着ることがストレスにならない着心地の良さ
・着続けるうちに味が出てくる経年劣化を楽しめるデザイン(デニムなど)

何よりも、自分自身が飽きずに着続けられる・リメイクやお直しをしてでも着続けたいと思えるような、思い入れのある服を選ぶことが大切です。
少なくとも、そういった服を探そうと意気込むだけで、服を買う頻度が少なくなるはずです。

古着屋で自分に合う服を見つけてみる

新しい服を買おうと思った時、特に疑問を感じることなく新品の服を買っていた人は、一度古着屋を訪れてみましょう。

古着を選ぶことは、リユースの観点から見るとエコな取り組みですし、サステナブルでもあります。
誰かが着た後も古着として売れるほど、魅力的で丈夫な服を選ぶわけですから、いち消費者として「ファストファッションにこだわらない」選択をしていることになるからです。

もっとも、そこまで重々しく考えなくても、古着には古着の魅力というものがあります。
古着選びにハマって無駄な服を買い足すようなことでは本末転倒ですが、長く着られる素敵な服を古着の中から選ぼうとする行為は、十分サステナブルな取り組みと言えるでしょう。

素材にこだわってみる

服を作るにあたり、自然・動物・労働力などを犠牲にすることなく得られた素材を使っているものは、サステナブルなファッションに数えられます。

動物保護という観点から考えると、動物の毛を使わずに作られた「フェイクファー」・「フェイクレザー」の製品を選ぶことで、人間の都合で命のサイクルを絶つことに加わらない立場を間接的に示すことができます。
農薬・化学肥料を使わず育てられた「オーガニックコットン」を選べば、地球環境・生産者側の健康にも配慮しつつ、自分の身体を健康に保つことを意識しながらファッションを楽しめます。

また、自分が着ている服を作ってくれている人のことを考えて、生産者・労働者に公平な賃金を支払う「フェアトレード」の認証を受けている企業を選ぶこともポイントになります。
どれも一見ささやかな決断に見えますが、その決断が、人間・動物・植物・地球上の生き物すべての幸せにつながるのです。

サステナブルに食事を楽しむ3つのアイデア

わたしたちは、自分の都合から、食事や素材・料理をおろそかにしてしまうことがあります。
続いては、生産者や環境に配慮しつつ、サステナブルに食事を楽しむための3つのアイデアをご紹介します。

いびつな野菜を愛する気持ちを持つ


スーパーなど市場に出回るほとんどの野菜は、その品質・形・サイズ・重量といった要素で分かれており、規格をクリアしない野菜は廃棄の対象となります。
一方で、ちょっとの傷や色の悪さだけではじかれてしまう野菜もあり、生産現場で生まれるフードロスは問題となっています。

ただ、見た目の悪さが味に大きく影響するとは限らず、むしろ変形する確率が高い品種を伝統野菜として栽培している地域もあります。
愛知県奥三河の設楽町・豊根村で栽培される「天狗なす」がその一例で、焼きなすのとろけるような食感は美味しいと評判です。

いびつな野菜を気軽に購入できるサービスも増えてきていますから、味さえ良ければ野菜の形に特にこだわりがない人は、規格外野菜を意識して購入してみましょう。

大切に使える食器を選ぶ

美味しさを引き立てる・デザインが美しい食器を選ぶことも、サステナブルなアイデアに数えられます。
お気に入りの食器を選ぶことで、長く同じ食器を使い続けることができるでしょう。

もし、食器を壊してしまうことが怖いなら、アウトドアでも使えるステンレス製のもの・軽くて丈夫な木製のものを選ぶことをおすすめします。
大事に、安心して使い続けられる食器を選んで、毎日の食卓を楽しみましょう。

頼んだものは最低限、きちんと受け取る・食べる


農林水産省・環境省の調査によると、家庭系の食品ロスにつき、まだ食べられるのに捨てた理由の57%が「食べ残し」という結果が出ています。

せっかくお金を出して食材・料理を買うのですから、やはり余すところなく食べるのが礼儀というもの。
作り過ぎた分をリメイクしたり、複数のサイズから料理を選べるお店を選んだりして、食べ残しを防ぐ工夫が大切です。

自分が食べられる量を把握するための方法としては、普段使うお茶碗・お皿の重さを抜いて、ご飯・汁物・おかずなどの重さを計り、どのくらいの重さで自分が満足できるのかを確認する方法があります。
感覚的にボリュームが分かってくると、外食や出前で頼む量も調整がきくようになるでしょう。

サステナブルな住まい暮らしを助ける3つのアイデア


エコに配慮した家を建てること以外にも、住まいに関するサステナブルなアイデアは存在しており、身近なところにもアイデアの種は落ちています。
ここからは、サステナブルな住まい暮らしを助ける、3つのアイデアについてご紹介します。

中古住宅や古民家を探してみる

日本には、古くから伝わる素晴らしい建築技術によって、今なお形を留める歴史的建築物がたくさんあります。
また、今は人が住んでいなかったとしても、まだまだ暮らせる耐久性を持つ住宅・古民家は少なくありません。

こういった中古住宅・古民家に手を加えて住めば、新築を購入するよりも費用が抑えられますし、環境負荷を減らすことにもつながります。
田舎に目を向ければ、安い値段で手に入る家がたくさんありますから、家を買う場合は都会だけでなく地方にも目を向けてみましょう。

持ち家思想からいったん離れてみる

新しい家を買う場合、持ち家ありきの考え方から一度離れてみて、賃貸で暮らし続けることを検討する方法もあります。
すでに建てられたマンション・アパートの中から住まいを選ぶことは、今ある環境を活かす考え方につながりますから、それだけでもサステナブルな生活の実践と言えます。

テレワークのような新しいワークスタイルが普及したことにより、定住の必要性そのものを疑う人も出てきています。
持ち家思想からいったん離れ、住まいのことを考える機会を設ければ、自分たちにも環境にも無理のない選択肢が見つかることでしょう。

身近なもので飾りつけをする

住環境を充実させるためには、インテリアも大事な要素の一つです。
ただ、あえて高いお金を出して高級品を購入したり、環境に配慮した家具を用意したりしなくても、サステナブルな暮らしは実現できます。

お店で奇麗な花を買わずに、近所でつめる花を飾るだけで、季節の風景を家の中に取り入れることができます。
賃貸だから壁に傷をつけられないという人は、はがしやすい両面テープが使われているフックを使って、部屋に傷をつけない方法で絵やポスター飾る方法もあります。

長く使っていないエプロンなど、捨てることを検討している衣類があるなら、その布で本棚の目隠しを作ってもよいでしょう。
買わない・傷つけない方法を工夫することで、自分だけの空間を演出する楽しみを見つけられれば、たくさんの思い出を家の中に取り込めるはずです。

おわりに:サステナブルな暮らしを楽しむための心構え

今回お伝えしてきたアイデアは、誰でも思い立ったらすぐに生活に取り入れられることばかりです。
堅苦しく考えることなく、わたしたちが置かれている環境の中でサステナブル(持続可能)なことを考えて行けば、それぞれの答えが見えてくるはずです。

サステナブルという概念を意識して、日々の生活に取り入れるためには、現状を理解しつつ具体的な行動を起こすことが大切です。
お昼のランチを残してしまう人は弁当にする・こだわりなく安い服を選んできた人は思い切ってお気に入りの一枚を選ぶなど、自分の生活を少しずつ変えていく意識で、サステナブルな暮らしを楽しみましょう。

どんな小さなことでも、自分が変われば未来も変わります。
気になったアイデアが見つかったら、できることからチャレンジして欲しいと思います。

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