SDGsのターゲットは169個!17のゴール達成への具体的な行動目標を解説
SDGsを見聞きしたことがある方は「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など、大きな目標(ゴール)は知っているものの、さらに細かな「ターゲット」についてはご存知ない方が多いのではないでしょうか?
17のゴールごとに定められている具体的なターゲットを知ると、SDGsとして掲げる目標の理解度が深まりますよ。
SDGsのターゲットとは何か、ターゲットを理解したうえで私たちが今すぐできることは何かについてご紹介します。
SDGsのターゲットとは?
SDGsのターゲットについて、詳しく理解を深めていきましょう。
SDGsは17のゴール・169のターゲット・231の指標で成り立つ
SDGsとして掲げる指針は、17のゴール・169のターゲット・232の指標の3要素からなるピラミッド構造です。
1.ゴール:2030年度までに世界規模で達成すべき目標
2.ターゲット:ゴールをふまえた具体的な行動目標と手段
3.指標:ターゲット進捗度の測定方法
SDGsを知るうえで一番見聞きする機会の多いのが「ゴール」です。
「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など17個あり、持続可能でよりよい社会を目指すための国際目標として端的に示されています。
「ターゲット」は17のゴールを達成するためにおこなう、行動目標と手段です。
たとえばゴール3「すべての人に健康と福祉を」にあるターゲットの1つ目に、「2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を10万人当たり70人未満に削減する」とあり、ゴールに至るまでの小さな目標が示されています。
「指標」はピラミッド構造の土台となる要素であり、ターゲットの進捗度を測定するために定められたものです。
2017年7月の国連総会において全244(重複を除くと232)のグローバル指標からなる指標枠組みが承認されましたが、2020年3月の国連統計委員会で見直しがおこなわれました。
現在、全247(重複を除くと231)のグローバル指標が承認されるに至っています。
ターゲット=具体的な行動目標
ターゲットをチェックすると、数字表記とアルファベット表記の2つがあることに気づくのではないでしょうか。
実は数字表記とアルファベット表記のターゲットは、以下の違いがあります。
・数字表記のターゲット:ゴールを実現するための具体的な課題の達成
・アルファベット表記のターゲット:課題の達成を実現するための手段や措置
例としてゴール4「質の高い教育をみんなに」にあるターゲットについて、数字表記とアルファベット表記にわけたうえでキーワードに注目してみましょう。
キーワード | |
---|---|
数字表記 | 初等教育および中等教育を修了、初等教育を受ける準備が整う、平等なアクセス、若者と成人の割合を大幅に増加、教育におけるジェンダー格差を無くす、読み書き能力および基本的計算能力を身に付けられる、すべての学習者が持続可能な開発を推進するための知識とスキルを獲得 |
アルファベット表記 | すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供、先進国およびその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加、資格を持つ教員の数を大幅に増加 |
SDGグローバル指標(SDG Indicators)|外務省
4.1~4.7にあるターゲットは、ゴール4「質の高い教育をみんなに」を実現するために、教育の準備を整える・ジェンダー格差をなくす・すべての学習者が知識とスキルを身につけるなど、ゴール4を「よりイメージしやすいよう具体化されたもの」です。
4.a~4.cのターゲットは、学習環境の提供や奨学金件数の増加など、数字表記された「具体的な行動目標を達成するための手段・方法」が示されています。
ターゲットを簡単に理解できる「自分ごと化」
ターゲットを知ることは、SDGsの理解を深めることにつながる必要な工程です。
しかしいざチェックしてみると、むずかしそうな単語が並び一文が長いので、結局よくわからないと感じてしまいます。
ターゲットを理解するには、単に意味を理解するのではなく自分のこととして捉える「自分ごと化」を意識するのがおすすめです。
試しにゴール2「飢餓をゼロに」にあるターゲット2-1「2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。」を自分ごと化してみましょう。
飢餓や貧困をなくすために一消費者としてできることは、サービスや制度を通して支援することです。
- スーパーでの買い物終わりのレジ横などに設置されている食品寄付ボックスを利用
- 市が運営するフードバンクを通じて食べ物や日用品を寄付
「飢餓をゼロに」と聞くと、開発途上国にいる貧しい子どもたちを想像しますが、まずは身近にいる困っている人を支援する意識をもちましょう。
すると世界規模から日本、地域とターゲットエリアを絞り込めるようになり、身近なこととして捉えられるようになります。
ターゲットをふまえ何ができるかを考えてみよう
17のゴールから、自分ごととして捉えやすい3つのターゲットを3つピックアップしました。
それぞれのターゲットをふまえ、私たちは何ができるのかを考えてみましょう。
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」性別ではなく個を認める
ターゲット5.5は「政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参加および平等なリーダーシップの機会を確保する」です。
ジェンダー課題は企業が積極的に取り組んでいますが、個々でできるアクションもあります。
- 女性をロールモデルとして管理職への積極登用をしている会社を選択
- 男性=仕事、女性=家事の固定観念をなくし適材適所に分担
女性に向けられる“性別にとらわれない”という考えは、=男性らしく生きるわけではありません。
自分が主体となり、人生のあらゆる場面において「女性だから」を理由にしない選択をすることです。
目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」エネルギーの選択と節約
ターゲット7.3は「2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる」です。
2016年に日本では電力の小売全面自由化(電力自由化)が始まり、家庭ごとにどの電力会社から電気を供給してもらうのか選べるようになりました。
エネルギー効率を高めるためのアクションとして、以下があげられます。
- 再生エネルギーメインの電力会社を利用
- 年季の入った家電を省エネ家電に買い換える
- 省エネモード、ecoモードを活用する
そのほかLED電球に変えたり電を正しく使ったりなど、今すぐできることがたくさんあります。
省エネがあたりまえになると、家庭部門におけるCO2排出量が減り地球温暖化対策に貢献できますよ。
目標8「働きがいも経済成長も」フェアトレード製品を購入
ターゲット8.7は「強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終わらせるための迅速で効果的措置の実施、最も劣悪な形態の児童就労の禁止・撲滅を保障する。2025年までに少年兵の徴募や利用を含むあらゆる形態の児童就労を撲滅する」です。
主に強制労働や児童労働が根深い課題としてあげられる、開発途上国に向けられた行動目標。
私たち個人で労働搾取を直接解決することはできませんが、毎日の買い物を通じて開発途上国で働く人を守ることができます。
- チョコレートやコーヒーなどのフェアトレード商品
- エシカルファッション、エシカルコスメ
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上記の商品を積極的に購入すると、人権を守り労働環境の改善につながります。
他にもあと2つほど「自分ごと化」しやすいターゲットがある記事をご案内します。
目標12「つくる責任つかう責任」食品ロス削減のアクション
目標14「海の豊かさを守ろう」プラスチックに代わる素材を選択
まとめ
ターゲットを一つひとつ知ると、SDGsとして掲げている17の目標の理解度が深まります。
私たち消費者ができることは小さなことばかりですが、日常生活をおくるうえでSDGsのターゲットをふまえたアクションを意識すると、サステナブルな生活がより身近に、そして段々とあたりまえになるはずです。
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