コンポレストトイレとは?微生物の働きで排泄物を堆肥化させる仕組みを解説
一般的なトイレは水で排泄物を流す水洗トイレですが、災害時や工事現場など水が使えない場所では水洗トイレが使用できなくなります。
そこで注目されているのが、排泄物を微生物の力で分解して堆肥を作ることができる「コンポストトイレ」です。
そこで今回は、コンポストトイレの仕組みや導入するメリット・デメリット、おすすめのコンポストトイレを3製品ご紹介いたします。
コンポストトイレとは?仕組みやメリット・デメリット
コンポストとは、生ゴミを微生物の力で分解して堆肥化することで、良質な肥料を作ることができる環境に優しくエコな生ゴミ処理の方法です。
食品ロスにはスーパーやコンビニなどから排出される「事業系食品ロス」と、一般家庭から排出される「家庭系食品ロス」の2つに分けられていて、そのうち46%、約半数が家庭系食品ロスです。
これまで、食品ロスを減らす目的で生ゴミをコンポストで処理することで堆肥化する方法についてご紹介してきましたが、今回は少し視点を変えて排泄物を堆肥化する「コンポストトイレ」について解説していきます。
コンポストトイレの仕組みと特徴
コンポストトイレは、おがくずやそば殻、杉チップなどに含まれる微生物の力を利用して、コンポストトイレに投入した排泄物を分解することで処理を行います。
コンポストトイレも生ゴミ処理用のコンポストと同じく、微生物の働きを活性化するために「かくはん」が必要になりますが、このかくはんを手動、あるいは自動で行うことで処理槽内の微生物が活性化します。
活性化した微生物の働きで、排泄物を二酸化炭素と水に分解して、その他に排泄物に含まれる窒素やリン、カリウムなどは分解されずに堆肥となります。
気になる大腸菌や寄生虫などですが、排泄物が分解される時にコンポストトイレ内は摂取50℃を超えるためこれらの菌などは死滅しますので、安心してコンポストトイレを使用することができます。
コンポストトイレのメリットとデメリット
コンポストトイレを導入するメリットは、以下の4つです。
・水がなくてもトイレを使用できる
・汲み取り作業不要
・悪臭が抑えられる
・堆肥を生成できる
コンポストトイレでは微生物の力で排泄物を分解するので、水を使用しないことから災害時や建設現場、山岳地域、離島などで設置が進んでいます。
一方で、以下のデメリットがあります。
・コストがかかる
・1日の使用制限がある
・製品によっては電源確保が必要
建設現場などに設置される仮設トイレと比べると、ランニングコストが高くなる傾向があります。
また、一度に大量の排泄物を投入すると分解しきれないため、悪臭の原因になることから1日の使用制限があるというデメリットがあります。
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日本で購入できるコンポストトイレとは?
ここまでコンポストトイレの仕組みや特徴、導入するメリットやデメリットについてご紹介してきました。
コンポストトイレがあれば、災害時のトイレに困ることがないので導入を検討している方が多いと思いますが、ホームセンターなど実店舗ではなかなか見かけることがありません。
そこでここからは、日本で購入できるコンポストトイレを3製品詳しくご紹介いたします。
1.RELIFE
©ecoばかクリエイション
ecoばかクリエイションが製造・販売を行う「RELIFE」は、初めてコンポストトイレを導入する方が簡単に利用できるポイントをおさえたコンポストトイレです。
配管工事を行わず、置くだけで設置することができる他に、「大小分離セパレーター」を搭載しているので、尿と大便を分けることで嫌なニオイを抑える工夫がされています。
コンポストトイレは通常導入費用として20〜30万円程度の費用がかかりますが、RELIFEは完成品で10万円程度と安く、DIYキットを購入すれば更に費用を抑えることができます。
2.Sun-Mar
©庭仕事ひろば
有限会社シャウトプロダクションズが輸入・販売を行うSun-Marは、コンポストトイレの代表的な製品です。
様々なモデルを販売していますが、標準モデルの「エクセル」は世界で最も多く愛用されているコンポストトイレ。
電気が使える場所ならどこでも設置することができ、換気パイプを繋いで室外に出すことで設置が完了します。
自動の内蔵ファンが空気循環を促す仕組みになっているので、微生物の働きを活性化することから臭気を気にすることなく利用できるのが特徴です。
余分な水分は内蔵ヒーターが蒸発させて、毎日、あるいは数日に1回ハンドルでかくはんさせるだけで堆肥化することができます。
ドレンホースを接続することで、使用人数が増える場合や、寒冷地で利用することができるので、様々なシーンで活用できます。
3.あすなろ
©Ftek Inc.
介護用コンポストトイレのあすなろは、電動モーター、ヒーター、換気ファンが付いて発酵速度が最高性能を誇るコンポストトイレです。
介護用トイレなので、介護が必要な方が購入する場合は介護保険が適応されることから、通常価格12万円より安く購入することができます。
「RELIFE」「Sun-Mar」は手動でかくはんが必要でしたが、あすなろは自動でかくはんして排泄物を埋めるので、水洗トイレのように手間なく使用することができます。
便座や膝掛けなど高さ調節することができ、キャスター付きなのでお掃除の際は楽に移動させることができます。
まとめ
コンポストトイレは、排泄物をおがくずやそば殻などに含まれる微生物の力によって排泄物を堆肥化することができるトイレのことです。
コンポストトイレは水で排泄物を流さないので、ニオイや菌が心配という方が多いですが、微生物が排泄物を堆肥化する際の温度は50℃程度なので、雑菌を死滅させることができます。
またニオイについては、おがくずなどと混ざることでニオイが軽減される他に、コンポストトイレによっては排気ホースが付属している場合があるので、屋外に臭気を排気することができます。
コンポストトイレを導入することで、災害時や水が使えない地域で快適にトイレを利用することができ、さらに良質な堆肥を使うことができるので土地に優しいというメリットがあります。
しかし一方で、仮設トイレに比べて導入費用がかかる他に、1日の使用制限がある場合があるなどのデメリットがあるので、コンポストトイレを導入する際はメリットとデメリットをよく把握して製品を選ぶようにしましょう。
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