気候変動の原因とは?環境への影響やSDGs目線での地球温暖化対策も解説

乾いた大地

ハイブリッド車が市民権を得ている日本では、電気自動車・水素自動車など新たな車種も数多く登場しており、自動車業界だけを例にとっても、かなり省エネの分野では進んでいる印象がありますよね。
しかし、残念ながら日本では再生可能エネルギーの割合が低く、ドイツのNGO・ジャーマンウォッチがまとめたランキング「気候変動パフォーマンス・インデックス(CCPI)」において、61ヶ国・地域中45位と下位グループに属しています。

この記事では、ランキング上で日本の評価が低い理由や、気候変動の原因と対策についてわかりやすく解説します。
つい先日、世界中の科学者や専門家から構成される地球温暖化(気候変動)研究のための国連内組織、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が8年ぶりに発表した第6次評価報告書の第1業部会(WG1)報告書から新たにわかったこと等を少しご紹介します。

このようなランキング結果や調査報告書数値を踏まえて、わたしたち個人としては、地球の未来に向けてどのようなことに気を配るべきなのでしょうか。
あくまでも数ある回答の一つに過ぎませんが、SDGsにおける目標13「気候変動に具体的な対策を」の観点から、気候変動の原因と対策を個々人で理解することが、問題解決のヒントにつながるかもしれません。

気候変動が起こる原因とは何なのか

酷暑の空
わたしたちがニュースなどを見ていると、ときどき「21年ぶりの猛暑日」・「100年ぶりの寒さ」など、異常気象がキャッチーな表現で取りざたされることがあります。
さらにひどい場合は、集中豪雨・台風・土砂崩れなど、人の命を直接的に奪ってしまうほどの被害が報道されています。

これらの問題が起こる原因について、わたしたちはどこまで知っているのかと問われたとき、それぞれのケースについて明確な理由を述べるのは難しいかもしれません。
しかし、気候変動が起こる原因は、ある程度特定することができます。
※参考
気候変動とは?

自然的要因と人為的要因がある

気候変動が起こる原因をわかりやすく大別すると、自然的要因と人為的要因に分かれます。
以下に、それぞれの要因について、基本的なポイントをまとめました。

自然的要因

自然的要因とは、自然の相互作用により何らかの気候変動が生じるケースが該当します。
例えば、海水・海洋もしくは海水・大気による相互作用にともない、例年とは異なる水・熱の量が動くと、結果的に雲に含まれる水蒸気の増加・減少が生まれます。
このような、例年と異なる水蒸気の増減は、豪雨・干ばつなどの気候変動を引き起こします。

また、自然的要因は海に限った話ではなく、火山噴火にともなうエーロゾル(大気中の微粒子)の増加・太陽活動の変化にも影響を受けます。
自然的要因は、基本的に人間の力では対策を講じるのが難しい分野のため、一般的に防ぎようがない気候変動と理解されています。

人為的要因

火力発電所

気候変動と聞いて、わたしたち人間が真っ先にイメージするのが、おそらく人為的要因でしょう。
具体的な要因として広く知られているのが、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの存在です。

人間の活動によって、様々な温室効果ガスが生成された結果、地球上にたくさんの気体が放出されています。二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素・フロンガスなどが有名です。

もともと、温室効果ガス自体は悪いものではなく、地球上に暮らす人々が熱を失わずに過ごすために必要なものであり、一定数は地球から宇宙に放出されます。
しかし、逆に増えすぎてしまうと、宇宙に放出されることなくガスが地球に残り、気温上昇・気候変動の原因となってしまいます。

温室効果ガスが人為的に生まれる理由としては、以下のようなものがあげられます。

・自動車の運転
・火力発電
・家電製品
・湿地や水田で枯れた植物が分解された時
・家畜のげっぷ
・森林破壊

中でも森林破壊は、二酸化炭素を吸収してくれる植物の数を減らすだけでなく、酸素の生成・貯水・森林で暮らす動物たちの生活などにも影響を及ぼすため、地球規模での対策が求められています。

この人間の活動が現在起きている気候変動の原因であると、今年8月9日IPCC(気候変動に関する政府間パネル)から発表された第6次評価報告書第1業部会(WG1)報告書ではじめて断定されました。

※参考
IPCCとは
第6次評価報告書の第1業部会(WG1)政策決定者向け要約(SPM)の概要(ヘッドライン・ステートメント)-暫定版-
地球温暖化の原因は人間の活動と初めて断定 国連IPCCが報告書|NHKに NEWS WEB

気候変動に伴う問題とは

アザラシ

気候変動は、単純に暑い・寒いの話だけでなく、様々な問題を人類に突きつけます。
以下にお伝えする問題は、あくまでも一例に過ぎませんが、決して無視できないものです。

気温・海水温度の上昇

温かい空気が宇宙に逃げず、地球上にとどまるということは、その分だけ気温が上昇することを意味しています。
IPCCが2013年に公開した第5次評価報告書によると、陸域・海域を合わせた世界平均地上気温は1880~2012年の期間に0.85℃上昇しているとされており、2015年のパリ協定で、「工業化以前からの世界全体の平均気温の上昇を2℃を十分に下回るものに抑えること、さらには1.5℃までに制限するよう努力すること」という目標が掲げられています。
ですが、今回発表された報告書では2011~2020年ですでに約1.09℃上昇していることが報告されました。

数字にすれば1℃前後の上昇ではあるものの、地球上にはこの1℃の変化が深刻な結果をもたらす地域もあります。
分かりやすい例としては、北極海の海氷が溶け出すことで、ホッキョクグマやアザラシなどの生息地がなくなるなどの影響があげられます。

それに加えて、海水は二酸化炭素を吸収しやすいため、海水温も上昇傾向にあります。

気象庁によると、日本近海における、2020年までのおよそ100年間にわたる海域平均海面水温(年平均)の上昇率は【+1.16℃/100年】と報告されています。

海温が上昇することで、漁獲量にも少なからず影響が及んでおり、サンゴの白化現象などの問題?も起こっています。 人間と違い、エアコンが使えない地球上の大多数の生物たちは、ハイスピードで変化する環境に適応できず苦しんでいるのです。

地球温暖化にともなう水位上昇

島国
当然ながら人間にとっても、地球温暖化は避けて通れない課題です。
地球温暖化にともなう水位上昇によって、標高の低い小さな島で暮らす人々は、自分たちの故郷が沈んでしまうかもしれない状況に遭遇しています。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書「政策決定者向け要約」によると、1901~2010年の期間にわたり、世界平均海面水位は0.19m(19cm)上昇したとされていましたが、今月公表された(IPCC第6次評価報告書第1業部会(WG1)報告書の「政策決定者向け要約 -暫定版-」)には、1901~2018年の間に約 0.20m(20cm)上昇したと記されています。

19〜20cmと聞くと、あまり深刻に感じられないかもしれませんが、日本では1m海面が上昇すると、日本全国の砂浜の9割以上が失われると予測されています。全国地球温暖化防止活動推進センター

この予測を単純に当てはめると、例えば海抜1m~2mほどの島国であれば、近い将来島が沈んでしまう可能性も考えられます。
事実、太平洋の島国・ツバルは、国土の海抜が最大約5mと低く、生活用水を十分に確保できないなどの問題に直面しています。

四方を海に囲まれた島国日本もまた、決して他人事ではありません。

気候変動が続けばどうなる?

気候変動 ©Neural Inc. Sustainable Japan
気候変動が続くことによって、わたしたちの生活はより制限されることが予想されます。
水害・熱波などが起こるタイミングが崩れていくと、インフラ整備に時間がかかることで、経済の立ち直りも遅くなります。

また、海水が土壌を侵食することがあれば、農作物を育てられない地域が増加し、需要と供給のバランスが大きく崩れ、好きな食べ物を自由に食べられなくなるかもしれません。
さらには、水を媒介とする感染症が拡大するなど、わたしたちの生命をおびやかすリスクも増大する可能性
があります。

まとめると、気候変動が続くことは、すべての生物にとってデメリットが多く、わたしたちはできる限り未来の惨状を食い止めるために行動を起こす必要があるのです。

世界ランキングから紐解く日本の現状

気候変動の問題は、世界中で議論されている問題であり、多くの国が気候変動対策を講じています。
日本もまた例外ではないのですが、残念ながらその取り組みが十分に評価されているとは言えない状況です。

冒頭でお伝えした通り、ドイツのNGO・ジャーマンウォッチがまとめたランキング「気候変動パフォーマンス・インデックス(CCPI)」では、日本は下位グループに位置しています。
続いては、なぜ日本は気候変動対策が不十分と評価されているのか、ランキングの内容を紐解いていきましょう。

※参考
SDGsジャーナル
【国際】58ヶ国・地域の気候変動対策ランキング、日本は48番目。ジャーマンウォッチCCPI2021年版|Sustainable Japan
German Watch(ジャーマンウォッチ)

東アジアでは中国に次ぐ位置にいるが……

風力発電
実際のところ、このランキングにおいて、日本だけが特に悪い結果というわけではありません。
1~3位の位置は空席となっていて、それだけジャーマンウォッチのジャッジは厳しいものとなっています。

このランキングは、二酸化炭素排出量(40%)・エネルギー消費量(20%)・再生可能エネルギー割合(20%)・エネルギー政策(20%)の4つの観点から総合点が与えられる形で構成されています。
日本の場合、二酸化炭素排出量・エネルギー消費量の項目に関しては比較的高得点であるもの、再生可能エネルギーの普及が遅いこと・政策面に難があることで評価を落としています。

また、東アジアの順位を見てみると、以下のような順番となっています。

中国:33位
日本:45位
韓国:53位
台湾:57位

そのため、日本が他国と比べて類を見ないほど悪い結果というわけではありませんが、現状を楽観視できる順位でないことも確かです。

日本以外のG20も決して上位ばかりとは言えない

このランキング内には、G20諸国も含まれており、上位には5位のイギリス・10位のインド・16位のEU・19位のドイツなどがランクインしています。
しかし、アメリカ合衆国は最下位で61位・サウジアラビアは60位・カナダは58位と、決して1枚岩でない
ことが分かります。

もちろん、ランキングはあくまでもその時点での結果を示したものに過ぎず、今後も同様の傾向が続くとは限りません。
わたしたちは、気候変動の対策を講じることの難しさを理解した上で、それぞれにできることを進めていくべきだと言えるでしょう。

肝に銘じたい「2050年の日本」

雪と紅葉
日本の将来を知る上で、非常に興味深い動画があります。
世界気象機関(WMO)のYouTubeチャンネルで確認できる「2050年の天気予報(2014年9月配信開始)」という動画は、2050年9月23日の気象情報がどのような内容になるかを想定して構成されています。

動画の内容は、わたしたちにとって非常に衝撃的なものとなっていますが、一方で今の状況が続けばそうなってもおかしくないであろう内容も含まれています。

・10月を間近に控えているにもかかわらず、東京では真夏日が60日続く
・京都の紅葉が見られるのはクリスマス頃
・沖縄のサンゴが壊滅状態
・台風は「スーパー台風」と呼ばれ、ライフラインに甚大な被害が出るおそれがある

一人だけで努力しても、この問題を根本から解決することは難しそうに思えますが、社会が一人ひとりの集合体であることを考えたとき、決して無視できる問題とも言えません。
わたしたち一人ひとりが、この問題を真正面からとらえることが、事態を少しでも良い方向へ向ける第一歩となるはずです。

SDGsの立場から考える、わたしたちにできる気候変動対策

SDGsでは、目標13「気候変動に具体的な対策を」の中で、以下のような達成目標が定められています。

・気候に関する災害や自然災害が起きたときに、対応したり立ち直ったりできるような力を、すべての国でそなえる。
・気候変動への対応を、それぞれの国が、国の政策や、戦略、計画に入れる。
・気候変動が起きるスピードをゆるめたり、気候変動の影響に備えたり、影響を減らしたり、早くから警戒するための、教育や啓発をより良いものにし、人や組織の能力を高める。

これらを踏まえた上で、わたしたちが気候変動対策としてできることを知るためには、緩和策・適応策について知ることが近道になります。

※参考
SDGs one by one(相模原市)
エコライフ
地球温暖化の影響と適応策(神奈川県)
SGDs CLUB

緩和策と適応策について知る

グリーンカーテン
気候変動に関する対策は、大きく分けて「緩和策」と「適応策」の2種類に分かれます。

緩和策とは、地球温暖化の進行を緩める(止める)ための取り組みのことをいいます。
これに対して、適応策とは、気候変動による影響・被害の回避・低減をはかる取り組みのことをいいます。

それぞれアプローチは違いますが、どちらも変化する環境を生き抜くためには重要な要素になります。
まずは、これら2種類の取り組みについて知り、それぞれの具体例を実践してみることが大切です。

緩和策をどのように実践するか

緩和策を個人単位で行う場合、限られた資源をどれだけ有効に使えるか・資源の消費を抑えられるかがカギになります。
具体的には、一人ひとりが以下のことに取り組むことで、CO2の削減につながります。

・電化製品の使用量を減らす
・エコカーに乗り換える/カーシェアリングを利用する
・プラスチック製品/ペットボトルを使わない
・シャワーの使用時間を減らす
・プランターなどを使って緑を増やす

この他にも、考え方次第でCO2削減につながる取り組みはたくさんあるはずです。
自分にできることから、緩和策をスタートしてみましょう。

適応策にはどのようなものがあるか

水分補給の水
適応策について知ることは、自分や家族の命だけでなく、他のかけがえのない命を救うことにもつながります。
気候変動にともなう災害に遭遇する前に、以下のような準備を進めておくことが肝心です。

・避難場所や、避難場所に向かうためのルートを確認する
・緊急時に家族間でどう連絡するのかを決めておく
・できるだけ大雨の日は早めの避難を心がける
・暑い日は意識して水分補給をする
・食料を一定量備蓄しておく

取り組みを続け、いつしかそれが当たり前の習慣になったとき、適応策はそれほど難しくないことに気付くことでしょう。
有事の際に少しでも過ごしやすくなるよう、自分なりに工夫できれば、冷静な対応力がつくはずです。

おわりに

気候変動の原因は、確かに自然的要因もありますが、その多くは人為的要因と言えます。
わたしたちの暮らしが激変したことで、多くの生物が環境の変化についていけず、人類は地球に深刻な被害をもたらしています。

各国の取り組みも含め、残念ながら、国に任せるだけでは対応は不十分であると考えた方がよいでしょう。
だからこそ、わたしたち一人ひとりに何ができるかを考えることが、明日の地球を救うことにつながるはずです。

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