エコドライブは低燃費で地球に優しい!今日から使える運転ポイントも紹介
新型コロナウイルス感染対策の意識が高まる現在、人との接触を避けるべく以前とくらべて車移動が増えました。飲食店でもドライブスルーを積極的に利用する人が増え、ますます車移動の増加が予想されます。
車を運転する頻度が高い方に知ってほしいのが「エコドライブ」です。
エコドライブは環境負荷軽減に貢献できるだけではなく、事故防止やガソリン代の節約にもなり、人や財布にやさしい運転方法です。
エコドライブのメリットや具体的に意識するポイントについてご紹介します。
車のエコドライブとは?
エコドライブとは、燃料消費量やCO2排出量を減らす省エネ運転で地球温暖化防止を後押しする、車のエコ対策・運転技術です。
車のエネルギー消費を抑えた走行は、世界の課題である地球温暖化問題の解決に向け私たち個人レベルでできる取り組みであり、環境にやさしい運転といえます。
日本の2019年時点の二酸化炭素排出量(11億800万トン)のうち運輸部門が占める割合は、18.6%(2億600万トン)です。
全体の約20%と聞くと、ほかに注目すべき排出部門があるのではと思われがち。
しかし電気やガスなど家庭で排出される二酸化炭素量(1億5900万トン)や、第三次産業を中心とした業務系事業所で排出される二酸化炭素量(1億9300万トン)よりも多く深刻な課題です。
また運輸部門のうち自家用車が占める割合は45.9%(9458万トン)であり、車移動が増えた現在、さらに個々のエコドライブの意識向上が必要だといえます。
引用:
運輸部門における二酸化炭素排出量|国土交通省
参考:
運輸部門における温室効果ガス排出状況|環境省
コロナ禍での移動、自家用車が40.4%から45.2%に増加 定額カルモくん調べ日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2019年度確報値)|国立環境研究所
エコドライブによるドライバーのメリット・環境への効果
エコドライブの実践によるメリットは、環境負荷の低減だけではありません。
エコドライブは環境にやさしいだけではなく、人にも財布にもやさしいエコ意識です。
ガソリン代の節約
エコドライブをおこなうと、結果が燃費にあらわれます。
燃費とは燃料消費効率であり、燃料1リットルあたりで走行できるキロ数。
エコドライブにより約10%の燃費向上につながるため、150円のガソリンを135円で給油できることと同じです。
エコドライブはガソリンの使用量に直結します。
日常的に車を使っている方はちょっとした意識で節約ができ、年単位に換算すると数万円の節約につながりますよ。
引用:
特集 乗用車の燃費|日本自動車工業会
参考:
ご存知ですか? 無理のないエコドライブでガソリン代を年間3万円も節約!|COOL CHOICE
【悲報】エコドライブのトレーニングに行ったら、年間で約389Lのガソリンをムダ使いしていることが発覚|カーセンサー
交通事故低減
緩やかにアクセルを踏む・ゆとりのある車間距離など、エコドライブの基本を意識することが安全運転になり、交通事故を減らせるようになります。
反対に急発進や必要以上の加速をしてしまうと、思わぬ事故に発展し命にかかわる大けがを負ってしまうことも。
事業者ごとの走行距離100万kmあたりの交通事故発生件数を調査したところ、エコドライブ教育実施後は実施前と比べ36%にまで低減した結果が出されました。
エコドライブを知るだけでも交通事故を減らすきっかけや意識改革になります。
引用:
エコドライブ活動による燃費改善と交通事故低減|自動車技術会
CO2削減
車を運転しているとき二酸化炭素の排出量がどれくらいなのわからないため、エコドライブによってどれくらい環境保全に貢献できているのか、いまいちピンとこないのではないでしょうか。
実は二酸化炭素排出量の削減と燃費向上には大きく関わりがあり、低燃費を意識することがCO2削減につながります。
エコドライブを実践するエコドライブセミナーを経て燃費測定をしたところ、一般自動車では約16%の燃費向上に成功しました。年間CO2削減量は約196kg、年間ガソリン代約9,300円の節約につながったとあります。
引用:
みやぎエコドライブ実践プロジェクト 2015|公益財団法人みやぎ・環境とくらし・ネットワーク
実はエコドライブの妨げになる運転方法
エコドライブを妨げる運転方法はオーバーシュート、波状運転、急ブレーキの3つです。
・オーバーシュート:加速しすぎにより推奨速度を超えた状態
・波状運転:減速と加速を繰り返し一定速度で走行できない状態
・急ブレーキ:速度調整がうまくできないことによる急停止
これらの運転方法は、車間距離をあけずに前の車にあわせて速度調整をしたり、アクセルを一定に踏めていなかったりなどさまざまな原因が考えられます。
反対にエコドライブの基本が身についていれば上記3つのムダを減らせるといえるため、具体的にエコドライブの項目をチェックすることから始めてみましょう。
今日からエコドライブを実践してみよう!
エコドライブ実践に向けた注目すべきポイントや、さらなるエコを目指したエコカー利用についてご紹介します。
国が提唱する「エコドライブ10のすすめ」
環境省がエコドライブ実践のために提唱する「エコドライブ10のすすめ」には、環境・人・財布にやさしい運転を実現できる基本項目が示されています。
・自分の燃費を把握しよう
・ふんわりアクセル「eスタート」
・車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転
・減速時は早めにアクセルを離そう
・エアコンの使用は適切に
・ムダなアイドリングはやめよう
・渋滞を避け、余裕をもって出発しよう
・タイヤの空気圧から始める点検・整備
・不要な荷物はおろそう
・走行の妨げとなる駐車はやめよう
なかでも意識したい項目は、1にある「自分の燃費を把握しよう」です。
低燃費を実現することで二酸化炭素排出を減らすだけではなくガソリン代の節約になり、環境・人・財布にやさしい運転が身に付きます。
車に燃費計が搭載されていない場合は、「満タン法」で燃費計算をしてみましょう。
ガソリンを満タン後トリップメーターをリセットし、走行距離の計測を始めます。なるべく長距離を走行したあと再びガソリンを満タンにし、満タンまで入った給油量とトリップメーターの走行距離を確認してください。
走行距離÷給油した量が満タン法による実燃費の概算です。
引用:
エコドライブ10のすすめ【改訂版】|環境省
参考:
燃費計算の実例集|教えて!大人の自動車保険
アイドリングストップなら誰でもできる
エコドライブについて詳しく知らない方でも一度は聞いたことがある「アイドリングストップ」。
10分間のアイドリングで約130ccの燃料を消費するとされ、荷物の積み下ろしや待ち合わせなどのアイドリングを減らすだけでガソリンの節約、CO2排出量の削減ができます。
アイドリングをおこなった際の排出量を100%とした場合、ガソリン車のCO2排出量は44%減。ディーゼル車では51%ものCO2削減になりました。
アイドリングストップはCO2排出量と燃料消費を削減できるメリットがある一方、手動アイドリングによる注意点があることを知っておきましょう。
手動アイドリングとは信号待ちでドライバー自らおこなうアイドリングストップであり、車が自動判断する自動アイドリングストップとは異なります。
手動アイドリングは一見エコドライブにつながる行動に思えますが、ブレーキの効きが悪くなる、電装品が停止する、誤操作などのリスクがあるため推奨されていません。
信号待ちで手動アイドリングをおこなわず、一時的に停車する際にアイドリングストップを意識してください。
引用:
エコドライブ10のすすめ【改訂版】|環境省
アイドリングストップ|環境再生保全機構
車の買い替えを検討しているならエコカーをチェック
車のエコ対策はエコドライブだけではありません。車の買い替えを検討している方は、エコカー(低燃費車)をおすすめします。
エコカーとは二酸化炭素や窒素酸化物などの排出量が少ない環境にやさしい車であり、燃費性能にも優れているのが特徴です。
エコカーの利用で地球温暖化抑制に貢献できるだけではなく、補助金や減税など経済的なメリットもあります。
まとめ
エコドライブ10のすすめにある項目はどれも基本的なことばかり。簡単で小さな積み重ねがCO2削減と節約につながります。
発進時のゆるやかなスタート、走行時の一定速度、減速時の早めアクセル、停車時のアイドリングストップの4つを意識すれば自然とエコドライブを実現できるはずです。
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