SDGsとは?わかりやすくSDGsの17の目標を事例を交えて解説!
テレビやラジオ、雑誌などでSDGsの取り組みが、広く扱われるようになりました。
地球規模でのチャレンジということもあり、世界中からさまざまなアイデアや成果が発信されています。
その一方で日本のSDGs達成度は2019年15位、2020年17位、2021年18位と年々後退いるのが現状。
参考:SDGs達成度ランキング、日本は世界18位に後退
この状態を打破するためにも、17あるSDGsの目標へ近づくサステナビリティな対策が求められています。
「SDGsってそもそもどんなこと?」
「SDGsが掲げている17つの目標の中身は?」
「自分たちができるSDGsな取り組みはあるの?」
よく耳にはするけれどちょっと難しく感じるSDGs
達成度を上げるためにも、取り組みの内容やできることを学んでみましょう。
・SDGsとは
SDGsは「エス・ディー・ジーズ」と読みます。
Sustainable Development Goals(サステナブル ディベロップメント ゴールズ)の略で、持続可能な開発目標という意味を持っています。
©https://www.unsdsn.org/
達成を目指す目標は17項目。
2030年までに17のゴールへ向かうため、さらに細かい169つのターゲットが定められています。
SDGsとは|外務省
現在はSDGs達成を目指して世界中が動き出していますが、SDGsの前身にミレニアム目標8つの達成を掲げたMDGsがありました。
SDGs(持続可能な開発目標)とは何か?17の目標をわかりやすく解説|日本の取り組み事例あり
ミレニアム開発目標(MDGs)|ODA|外務省
2000年~2015年までの目標達成を目指していたMDGs
しかし途上国と先進国の足並みが揃っていなかった点など、足りない部分がありました。
そこでMDGsで達成できなかったこと。
MDGsに不足していた内容を含める形で、“誰ひとり取り残さない”を目標にSDGsが定められました。
2030年にはまた次の15年を見据えて、新しい目標が採択されるかもしれません。
その時に胸を張ってSDGsを達成できたと言えるように、私たちもできることをはじめてみましょう。
SDGs17の目標!具体的な実践例と一緒にわかりやすく解説!
SDGsは規模が大きいものばかりだから、個人ができることは限られる。
そんな風に思っていませんか?
たしかに国や企業の力が必要不可欠な項目もありますが、だからといって任せっぱなしでは何も変わりません。
SDGsの項目はすべてを自分につながっていて、私たちの今の暮らしを守り、豊かにしてくれるものです。
普段の生活へ取り入れたい方のために17それぞれの目標と、私たちができる実践例を合わせてわかりやすく解説いたします。
SDGs17の目標|SDGsクラブ(日本ユニセフ協会)
SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット (外務省仮訳)|農林水産省
1.貧困をなくそう
世界中から貧困層を無くす取り組みです。
具体的には1日1.25ドル以下で生活している極度の貧困層をゼロに。
2030年までに各国の貧困層半減を目指し、貧困や途上国の開発、支援を行います。
日本にも貧困を抱えるたくさんの人がいます。
私たちも子ども食堂や無料塾などを開く、フードバンクや募金へ寄付する、貧困問題のクラウドファンディングに参加する、貧困のための制度を困っている人へ伝える、といった形で支援できます。
2.飢餓をゼロに
世界中から飢餓を無くすための目標です。
2030年までに飢餓を撲滅。あらゆる栄養不良を改善し、食料確保のために生産性アップを目指します。
飢餓問題を抱えているのは主に途上国です。
私たちも途上国への寄付や支援を通じて、世界中の飢餓を減らせます。
一例ですが飢餓問題に取り組んでいる国連WFPでは、毎年チャリティーエッセイを募集しています。
応募1作品につき、スポンサーから給食3日分が寄付されるシステムです。
「WFPチャリティー エッセイコンテスト2021」ページ
エッセイの内容、質は問われません。
善意の参加が増えれば増えるほど飢餓問題の解決につながります。今年は募集期間が終わってしまったばかりですので、来年ぜひ応募してみてください。
3.すべての人に健康と福祉を
健康・福祉全般の取り組みです。
妊産婦や新生児の死亡率を下げる、エイズなどの感染症を根絶する、お金がなくても保健サービスや予防接種を受けられるようにする、薬物乱用を防止する、交通事故による死傷者を半減する、たばこの規制を強化するなどの内容が含まれます。
日本は医療サービス、福祉サービスが充実している国ですが、エイズなどの感染症患者も減っていってはおらず少しずつ増えています。
その他にも危険薬物には手を出さない、積極的に予防接種を受ける、交通事故に注意して運転するなど個人単位で活動しやすい目標です。
元気に年齢を重ねるためにも、健康と福祉を整えた生活を送りましょう。
4・質の高い教育をみんなに
教育と就業に関連する目標です。
2030年までにすべての人が初等教育、中等教育を修了すること、すべての成人が読み書きと計算ができること、就学前のケア、就業につながるスキルを習得できる仕組み作り、途上国の教員育成、教育の場でのジェンダー格差を無くす、といった目標が掲げられています。
日本でも大学の進学率は男性の方が高い傾向にあり、その裏にはジェンダー格差あると言われています。このような偏見を変えていくこともSDGsな取り組みです。
5.ジェンダー平等を実践しよう
世界中で根強い女性や女児への差別を撤廃する取り組みです。
望まぬ結婚や女性軽視を無くし、男性と同じように女性リーダーが活躍できる世の中を目指します。
日本はこのジェンダー平等で大きな後れを取っています。
政治の世界、企業、経営者などあらゆるトップが男性ばかりで、世界からは批判の対象となっています。
男性が女性の権利を認め、女性が不安なくリーダーとして立候補できる社会にするため、ジェンダー平等の考え方を常識にする、子どもに伝えていくといった必要があります。
以下の記事では、日本のジェンダーの現状が客観的に解説されています。
6.安全な水とトイレを世界中に
2030年までにすべての人へ安全な飲料水を安価で届ける、下水施設や衛生施設を普及させる取り組みです。
水の問題で悩む世界中の人へ、安全な水とトイレを届けるため、各国が協力しあっています。
世界では22億人もの人が水道設備のない生活を送っています。
これらの問題を発信すること、ウォーターエイドなどの団体への寄付などで、達成の手助けができます。
安全な水とトイレを世界中に|SDGsクラブ
途上国における水・衛生問題の解決を目指す|水・衛生問題の専門国際NGOウォーターエイドジャパン
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
地球温暖化を防ぐため、世界のエネルギーをクリーンに変えるための目標です。
再生可能エネルギーへの転換、エネルギー効率の改善などが求められます。
日本は火力発電が多くの割合を示し、エネルギー問題で出遅れています。
原子力発電に消極的なこともあり、安全とどう向き合っていくかも重要です。
私たちも節電を意識する、ソーラーパネルを導入して自家発電する、電気自動車に乗る、車を持たずに電車を利用する、といった方法で協力できます。
8.働きがいも経済成長も
一人ひとりの経済成長率をアップしながら、強制労働や人身取引を撤廃、雇用の促進などを目指す取り組みです。
生き生きと働く人を増やし、誰もが自分らしく活躍しながら経済を成長させる世の中を目指します。
日本では非正規労働者が増えていること、若者の離職率の高さなどが問題です。
少子高齢化が進み、今後は外国人労働者の手を借りる必要性なども指摘されています。
これらの問題を解決するために、適切な支援や外国人労働者の受け入れ、差別の防止、働きたいと思える環境作りなどが求められます。
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
世界共通での安定した産業、技術革新をめざし、金融や技術への支援を目指します。
途上国への産業、技術、情報通信支援が主ですが、最終的には先進国全体のGDPを産業で増やすのが目標です。
この分野について個人でできることは、まず途上国の現状を把握することです。
個人事業者であっても、途上国と連携し産業や技術の交流が可能な時代になりました。
一緒にできることを見つけたら、ぜひ事業に取り入れてみてください。
10.人や国の不平等をなくそう
2030年までに各国の所得水準を持続的に成長させること、年齢や性別、障がい、人種などによる不平等を無くすことなどが目的の取り組みです。
それぞれの国で目標を達成するのではなく、グローバルな視点で平等を目指します。
日本は孤立した島国ということもあり、日本人と外国人の間に差別や不平等がみられます。
また障がいや性別への理解も進んでいない部分が多いため、一人ひとりが周囲へ理解を深める必要があります。
11.住み続けられるまちづくりを
私たち周辺環境を整える目標です。
世界中の人の住まい確保、交通網や公共スペースの整備、文化遺産や自然遺産の保全などを目指します。
建物や交通だけでなく、大気の質や災害リスクの低減なども含まれます。
日本でもホームレス問題や安全性が確保されていない住まいに住んでいる人が少なくありません。
少子高齢化による過疎化も深刻なため、地域を挙げての支援や打開策が求められます。
最近話題になることが多い、地方への本社移転なども新しい暮らし方につながります。
SDGsを実践したい方は、このような企業へ就職するのも一つの手段です。
12.つくる責任 つかう責任
環境維持を目指す目標です。
天然資源の再利用や廃棄物の削減、サステナビリティな社会へ向けての技術開発や支援を行うなどの取り組みが行われています。
国や企業単位での取り組みが主ですが、メイクやアップサイクルの習慣、エコバッグを使う行動なども目標達成につながります。
13.気候変動に具体的な対策を
年々増え続けている気候変動による災害などの影響を軽減するための目標です。
国単位での早めの計画、実行が求められています。
国が行う対策が主になりますが、個人の意識も大切です。
現在の気候変動問題がどうなっているのかアンテナを張り、周囲と問題を共有する、自分の想いやアイデアを発信するなど、じぶんごととして受け止める気持ちが大切です。
なぜ、いま私たち一人ひとりのアクションが必要なのか、以下の記事もご覧いただければ共感いただけると思います。
14.海の豊かさを守ろう
海洋汚染問題の改善や海洋生態系の保全などを目的にした目標です。
水産資源を守るための漁獲量規制や、陸上からの排水などによる海洋汚染を防止・削減を目指します。
海洋汚染の問題は、個人による部分も多くあります。
海へ遊びに行った後はかならずゴミを持ち帰る、ビーチクリーンに参加する、ゴミ拾い×ジョギングで健康かつきれいな環境を目指すプロギングをはじめてみるなど、一人ひとりのちょっとした意識で海の環境を守れます。
プロギングジャパン|ジョギングxごみ拾い
15.陸の豊かさも守ろう
森林の保全や砂漠化、干ばつの防止、陸の生態系保護などが目標です。
外来種侵の防止なども含まれます。
私たちにもお祭りで購入した外来種のカメを湖などへ離さない。
安易にペットを飼わない、捨てない、といった生態系を守る行動が求められます。
16.平和と公正をすべての人に
世界中すべての人が安心して幸せに暮らせる社会を目指します。
基本的人権の尊重、国際レベルでの法の支配、暴力や虐待、拷問の撲滅、武器流通の大幅減少、犯罪組織の根絶、汚職や賄賂の減少などが求められます。
大規模な戦争は無くなりましたが世界中で内戦が起き、多くの人が亡くなったり、暴力などによる支配を受けたりしているのが現状です。
日本は平和を謳う国ですが、暴力や虐待、汚職などのニュースが日々報道されています。
平和と公正が社会の当たり前の姿であると、すべての人が認識する必要があります。
17.パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの目標を達成するために国家同士、地域同士が連携します。
途上国には複数国家の財源から支援を行い、貿易や開発などあらゆる面からサポートを行います。
パートナーシップの実現は、私たち個人間でも重要です。
SDGsを実現するために、必要に応じて周囲と協力し合いながら、より良い地球へ変えていきましょう。
まとめ
SDGs17の目標。
個人でできることが、たくさんあったのではないでしょうか?
難しく捉えがちですが、やさしい行動を心がけるだけで、十分SDGsな取り組みにつながります。
関わった人を大切にする、環境を守る行動でSDGs達成を後押ししましょう!
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