再配達を減らす4つの工夫!お悩み解決のカギは置き配と日時指定にあり
オンラインショッピングを利用したことがある方なら誰もが一度は経験する「再配達」。
タイミングがあわず荷物が受け取れないことで発生する再配達は、物を購入する消費者だけではなく、労働力の消費や非効率な配送、環境負荷などさまざまなデメリットをもたらします。
なぜ再配達が社会問題として取り上げられるほど深刻化し、一人ひとりが意識しなければならないのか。
再配達にまつわる課題と私たちができる取り組みについて知りましょう。
再配達にまつわる現状
再配達の現状についてご紹介します。
コロナ前と比べ宅配便貨物が増加
宅配便取扱個数 | 前年度比 | |
---|---|---|
2018年 | 43億701万個 | 1.3%増加(5568万個) |
2019年 | 43億2349万個 | 1%増加(1647万個) |
2020年 | 48億3647万個 | 11.9%増加(5億1298万個) |
引用:
令和2年度宅配便取扱実績について|国土交通省
令和元年度 宅配便取扱実績について|国土交通省
平成30年度 宅配便取扱実績について|国土交通省
注目すべきポイントは、新型コロナウイルス(以下「コロナ」という)が猛威を振るう直前の2019年から、日本で蔓延した年である2020年にかける宅配便取扱個数の増加率です。
2018年から2019年にかけてはわずか1%の増加であったことに対し、2019年から2020年にかけて11.9%増加し、5億個以上も増えました。
宅配便取扱個数としてカウントされる荷物は、消費者間・企業と消費者間・企業間のすべてを含むため、消費者がかかわる宅配便のみではありません。
しかし、最新の統計では物販のネット通販利用は新型コロナウイルス感染症拡大を受けて全カテゴリーにおいて市場規模が大幅に拡大していることから、宅配便取扱個数の増加は、消費者によるECサイト利用増加の影響がないとはいえず、消費者による再配達削減の意識と取り組みが必要です。
再配達率の推移
国土交通省のサンプル調査によると、2021年4月時点の再配達率は約11.2%と判明。
再配達率は都市部・都市部近郊・地方の3エリア別に調査され、なかでも都市部の再配達率が高い傾向にありました。
前年度の同月と比較すると約2.7%の増加ですが、緊急事態宣言による外出自粛などの影響を受けた2020年4月には8.5%まで下がったこともあり、単純比較がむずかしいといえます。
コロナが蔓延する前の2019年度の同月と比較すると、再配達率は4.8%減少と、宅配物量が増加しているにもかかわらず再配達率は減少しました。物流業界や消費者の努力や工夫もありますが、これもコロナ禍での外出自粛やリモートワークの普及に伴う影響で2年前に比較して自宅滞在率が高まっていることが考えられます。
引用:
宅配便の再配達率は約11.2% 令和3年4月の調査結果|国土交通省
再配達のさまざまなデメリットと課題
再配達がなぜ社会問題として取り上げられているのか。再配達のデメリットと課題をご紹介します。
配達車のCO2排出量増加
国土交通省の試算をもとに大和総研が導きだした推計によると、再配達で排出されるCO2は年間約31万トンとされています。
日本のCO2排出量は11億800万トン(2019年度時点)であり、3億8,400万トンを占める産業部門に次いで2番めに多い2億600万トンを占める運輸部門によるCO2排出量が課題です。
3億8,400万トンに対し再配達によるCO2排出量が約31万トンであり、比較するとわずかな排出量に思えます。
しかし2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、2030年度時点で46%の削減を目指す現在の日本では、今後さらに増加する宅配や再配達によるCO2削減が必要不可欠です。
再配達率がたった1%低下するだけで、CO2排出を約2万トン削減すると考えられています。
再配達防止の取り組みは、私たち消費者が誰でも地球と私たちの快適な未来のために取り入れられるCO2の排出削減アクションです。
引用:
日本のCO2排出動向と貨物輸送の課題|大和総研
運輸部門における二酸化炭素排出量|国土交通省
貴重な労働力の消費
再配達のために貴重な労働力が消費され、人材不足が物流業界での課題としてあげられています。
国土交通省が主催する「宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会の報告書」によると、現在よりも宅配便取扱個数が少ない2015年時点ですでにドライバー不足が顕在化。
年間約1.8億時間、9万人に相当する労働力が再配達に費やされているという結果となりました。
宅配便取扱個数と再配達の増加により、トラックドライバーの長時間労働問題も深刻化しています。
全職業平均と比べてトラックドライバーの場合は、年間労働時間が12~24%長いにもかかわらず、年間賃金は最大28%低い状況です。
2019年時点で自動車運転の有効求人倍率が約3倍と需要があるものの、労働環境の悪化により人手が足りず、再配達による影響を大きく受けている事態となっています。
引用:
物流を取り巻く動向と物流施策の現状について|国土交通省
宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会について|国土交通省
受け取る側の手間
再配達によるデメリットは、物流業界の人手不足や環境負荷だけではなく、消費者側の手間も含まれます。
再配達依頼のために電話やインターネット受付をおこなったり、確実に荷物を受け取れるようスケジュールを確保したりなど、受け取るための体制整える手間と準備が必要です。
コロナ禍でリモートワークができる場合は在宅時間も長く、スケジュール確保が容易になりスムーズに荷物を受け取れますが、通常の出勤、多忙で在宅時間が不規則な方の場合、再配達のためにスケジュールを調整しなければいけません。
また、急な用事ができたりしても外出がはばかられてしまうこともあります。
再配達削減に向けた取り組み・私たちができること
オンラインショッピングの機会が増えた現在、再配達削減のためにできることを知っておくだけでも大切。再配達の対策は、宅配業者、配送員さんと私たち消費者の双方にメリットがあります。
今すぐにチャレンジ取り組みを4つチェックし、できることから始めてみましょう。
置き配システムの利用
玄関前やガスメーターボックスなど、自宅の指定場所で荷物の受け取りができる「置き配システム」を活用すると、再配達防止につながります。
とはいっても自宅に宅配ボックスがない場合、荷物が置きっぱなしにされるのは盗難やいたずらが心配です。
例えば置き配バッグの「OKIPPA」を利用すると、盗難の心配なく不在時に荷物を受け取ることができ、再配達にかかる双方の手間と環境負荷を低減できます。
上記同様の2021年4月時点におけるOKIPPAユーザーの再配達率は8.1%。国交省のサンプル調査と比較して常時3〜5ポイントほど低い再配達率で推移しています。
CO2削減量は、杉の木約2,480本が1年間に吸収するCO2量に相当する22トンの削減に成功しています。
他にも多種多様な宅配ボックスが市販されています。
自宅以外での受け取り方法や日時指定を選択
在宅時間を確保できる方は、日時指定をすると確実に荷物を受け取れます。
しかし確実に在宅できるかどうかわからないときは、日時指定をおすすめしません。
日時指定は配送ルートに影響を与え、日時指定ありの宅配物を受け取れない場合、配送効率が悪化する恐れがあります。
決まった時間に在宅できる可能性が低い場合、不在時でも受け取れる置き配バッグや宅配ボックスの活用が最適です。
まとめ買いで配送回数を減らす
ECサイトで日用品や食料などを購入する機会が多い方は、長期休暇や休日のタイミングにあわせてまとめ買いしましょう。
なかには送料無料と表記されている商品もあり、まとめ買いではなく思い立ったタイミングで注文に進むこともあるのではないでしょうか。
実は送料無料と記載されている場合でも、配送にコストが発生しています。
まとめ買いで配送回数を最小限にすることで、再配達やコストの削減に貢献できますよ。
宅配業者のメールやアプリを活用
ECサイト利用時に指定した日時で配送する前に日時変更の通知をするサービスをおこなっている宅配業者があります。
ヤマト運輸は公式アプリやLINE、メールなどでお届け予定日時の通知を受け取ることができ、日時と受け取り場所の変更が可能です。
スケジュールが変動しやすい方、不規則な仕事に就いている方は、通知を受け取れるよう設定をしておくことをおすすめします。
まとめ
再配達を減らすためにできることをするだけで、手間のかからない荷物の受け取りやCO2削減などのメリットがあります。
置き配バッグの活用や工夫を通じて、再配達を減らそうという意識をもてればサステナブルな社会をつくる一歩に。
ご紹介した4つの工夫のうち、できることからはじめてみませんか?
最近、私たちの便利なネット通販生活を支えてくださっている配送員さんに感謝の気持ちを伝えるためのポップな置き配バッグも製品化されています。
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