コンポストで地球温暖化と食品ロスを防ぐ!3つのメリットと7つの種類を解説

コンポスト

深刻化する地球温暖化は、私たち人間の活動によって起こっていることが、2021年8月にはじめて断定されました。

私たち人間の活動の中で、地球温暖化に関係する問題で近年深刻化しているのが「家庭で起こる食品ロス」です。

家庭で起こる食品ロスをゼロにする唯一の方法が、コンポストによる堆肥化。

今回は、地球温暖化と食品ロスの関係と、コンポストを設置するメリットや7つの種類について詳しく解説していきます。

深刻化する地球温暖化と食品ロス

破棄するやさい
学校の教科書でも取り上げられることが当たり前となった「地球温暖化問題」。

いつから地球温暖化が問題になったのかというと、1970年代になって科学の進歩と地球の大気の仕組みが理解されるようになり、科学者の間で深刻な問題と認知されるようになったことが地球温暖化が問題視されるようになったきっかけです。

ここからは、地球温暖化と私たちの活動と食品ロスの関係について解説していきます。

地球温暖化は人間の活動が原因

地球温暖化は二酸化炭素(CO2)やメタン、フロンなどの温室効果ガスが増えすぎてしまい、宇宙に逃げようとした熱が地表にとどまりすぎることで、気温が上昇し、地球全体の気候が変化することで起こります。

地球温暖化がこのまま進むと、今の子供たちが大人になった頃に、日本の夏は平均気温40℃を超える「激暑」となり、海水温の上昇によって「スーパー台風」が発生しやすくなる、さらに豪雨災害の発生率が高くなることなどが懸念されています。

2021年8月9日に、国連気象変動に関する政府間パネルである「IPCC」の第6次間評価報告書で、はじめて「人間の活動が地球温暖化の原因である」と断定されました。

これまでは「人間の活動によって地球温暖化が起きているのではないか」と推測されていたのが、今回はじめて断定されたことで私たち人間が地球に及ぼす温暖化の原因は他人事では済まないことが確定したことになります。

【参照】
IPCCとは?||全国地球温暖化防止活動推進センター 
IPCC第5次評価報告書 第3業部会(WG3)(2014)|全国地球温暖化防止活動推進センター 
気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 第6次評価報告書 第1業部会(WG1)報告書 気候変動 2021:自然科学的根拠 政策決定者向け要約』暫定訳(2021/9/1付)|国土交通省 気象庁

地球温暖化と食品ロスの関係

氾濫した河川
地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの物資は、私たちの日常生活のなかで多く排出されています。

その中でも近年問題となっているのが「食品ロス」です。

食品ロスと聞くと飲食店や小売店から発生する問題という認識がありますが、食品ロスの46%は家庭から発生しています。

食べ残しや賞味期限が過ぎたなどの直接廃棄、食べられるところまで切り取って捨ててしまう過剰除去が、家庭で起こる食品ロスの内訳です。

食品ロスが多ければ、その分生ゴミが増えます。

生ゴミを収集運搬するためにはゴミ収集車を動かさなければならず、焼却処理も行わなければいけません。

これら一連の作業では二酸化炭素が多く発生するので、食品ロスが地球温暖化の原因になってしまいます。

【参照】
いつから地球温暖化が問題とされるようになったのか|全国地球温暖化帽子活動推進センター
地球温暖化が日本に与える影響について|環境省 
地球温暖化が進むとどうなる?その影響は?|WWFジャパン  
もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう|政府広報オンライン 
フードロスを減らし地球温暖化の防止!今すぐできる5つの方法|Yahoo!ニュース ELLE

コンポストが優れている3つの理由

コンポスト 廃棄野菜くず
地球温暖化の原因となる食品ロスは、家庭から排出される生ゴミの量を減らすことで地球温暖化対策になります。

家庭でできる食品ロスを減らして生ゴミの量を減らす方法は様々ですが、その中でも直接地球温暖化対策として私たちの手によって、生ゴミをゼロにできる唯一の方法があります。

「コンポスト」は、家庭から排出される生ゴミや落ち葉、下水汚泥などの有機物を微生物の働きを活用して発酵・分解させて堆肥を作ることができる日本の伝統的な知恵の1つです。

ではなぜコンポストが地球温暖化対策になるのか、コンポストが優れている3つの理由を解説していきます。

1.家庭で発生する食品ロスをゼロにすることができる

家庭では、食べ残しや賞味期限切れなどでどうしても食品ロスが発生してしまいます。

このような食品ロスを、コンポストを活用することで堆肥にすることができるので、家庭からの食品ロスをゼロにすることができます。

2.ゴミを減らすことができる

家庭からの食品ロスをゼロにできるということは、家庭から排出されるゴミそのものを大幅に減らすことができるということになります。

ゴミを減らすことができれば、使用するゴミ袋も減らすことができるので、特に有料ゴミ袋の地域の場合だと経済的負担を軽くすることができます。

3.二酸化炭素の排出量が減る

集積所に運ばれたゴミは、自治体のゴミ収集車によって所定のゴミ処理場に運ばれて焼却処分されます。

このゴミの運搬と焼却処理を行う際に二酸化炭素が排出されますが、ゴミ全体の量を減らすことができれば、排出される二酸化炭素の量を減らすことができます。

家庭で設置できる7つのコンポストの種類

LFCコンポスト ©ローカルフードサイクリング株式会社2
©ローカルフードサイクリング株式会社
一言にコンポストと言っても、コンポストには様々な種類があります。

家庭で手軽に設置できるコンポストから、広い庭が必要なコンポストまで様々です。

そこで今回は、これからコンポストを設置しようと考えている方へ、コンポストの種類についてメリットとデメリットを交えながらご紹介いたします。

1.土中式コンポスト

庭の土を掘ってコンポストが埋まる程度まで穴を用意して、その穴にコンポストを設置します。

穴にコンポストを埋めることで設置できるので場所を取らないというメリットがあり、生ゴミの他に枯葉や雑草なども入れることが可能です。

しかし直射日光が当たると、生ゴミなどを分解する微生物が死んでしまうので、直射日光が当たらない日陰に設置する必要があるというデメリットがあります。
土とスコップ

2.密閉式コンポスト

密閉できる容器に、生ゴミと米ぬかや発酵促進剤などの「ぼかし」と呼ばれるものを入れてゴミを発酵させるコンポストの種類です。

生ゴミを発酵させることができ、液肥を作ることができるというメリットがありますが、生ゴミが分解されない、ニオイが漏れやすい、土に移し変える必要があるというデメリットがあります。

3.回転式コンポスト

生ゴミや落ち葉などをコンポストに入れて、容器ごと回転させることで堆肥化に必要な酵素を効率よく全体的に供給することができるというメリットがあります。

しかし日本では回転式コンポストはあまり普及していないので、入手が難しいというデメリットがあります。

4.バイオ式電動生ごみ処理機

電気を使い、温風で生ゴミを乾燥させて堆肥化や炭化することができるタイプや、資材を入れて電動で回すタイプなど様々な機種があります。

室内に設置ができるので手軽にコンポストを利用できるというメリットがありますが、本体そのものが効果で、電気代がかかるというデメリットがあります。

5.ミミズ式コンポスト

ミミズと生ゴミなどの容器をコンポストに入れることで、ミミズが生ゴミを食べて分解することで堆肥化することが可能です。

コンポストで気がかりなニオイが出にくいというメリットがありますが、見た目が気持ち悪い、柑橘系など分解できないものがあるというデメリットがあります。

6.ダンボールコンポスト

段ボールに生ゴミなどを入れて、安い費用で堆肥化できるコンポストです。

しかし毎日かくはんが必要なので手間がかかるというデメリットがあります。

7.コンポストバッグ

©ローカルフードサイクリング株式会社
©ローカルフードサイクリング株式会社

ベランダや室内に設置できるバッグの形をしたコンポストです。

【参照】コンポストとは?|LFCコンポスト 

虫の侵入を防ぐ特注ファスナーや、バッグの内側を折り返してそのまま植物のプランターにできるというメリットがあります。

バッグをそのものは繰り返し使えますが、コンポスト基材と呼ばれる独自配合の原料を堆肥化するたびに購入する必要があるというデメリットがあります。

LFCコンポストのユニークなメリットとして、利用者のコミュニティを形成し、コンポストを活用し続けやすい環境を作ることにも取り組んでおり、質問に答えてもらえたり、堆肥を送って野菜がもらえるキャンペーンイベントなどがあり使い続ける工夫がなされているので、コンポスト初心者におすすめです。

まとめ

地球温暖化は私たち人間の活動によって深刻化しており、その中でも家庭で発生する食品ロスは深刻な問題となりつつあります。

家庭で起こる食品ロスをゼロにする唯一の方法が、コンポストによる堆肥化です。

コンポストには様々な種類があるので、メリットやデメリットを考慮して、ご家庭にあったコンポストを導入して、家庭で発生する食品ロスを減らすようにすることで、地球温暖化を防ぐことができます。

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