サステナブルな商品とは?環境に優しい食品や雑貨など身近なグッズも紹介

サステナブルな歯ブラシ石鹸

普段の買い物で「サステナブルな商品」を選ぼうと思うと、どんなグッズを選べばよいのか、迷ってしまうことも多いはず。
環境配慮・SDGsなど、比較的分かりやすいキーワードをパッケージの中に見つけると、それだけでOKと考えてしまうかもしれません。

しかし、キーワードだけに着目するのではなく、自分が普段よく使うジャンルのグッズでもないと、毎日サステナブルなものを選び続けるのは難しいものです。
この記事では、誰もが購入する機会の多い「食品・雑貨・美容」の3ジャンルに例を絞り、迷ったらまずチェックして欲しいグッズ・ブランドなどをご紹介します。

サステナブルな商品とは、単純に「環境保護」だけが目的ではない

海 環境
サステナブルという単語は、「持続可能性」と訳されます。
そして、この持続可能性という意味合いについて、自然環境の保護と同じ意味でとらえている人もいると思います。

ここは勘違いしやすいポイントなのですが、持続可能性とは、地球の自然環境を守ることだけを意味しているわけではありません。
もっと深い意味で、人間が地球と折り合いをつけて暮らしていく生き方・考え方を問い、その上で生まれた商品のことを「サステナブル商品」といいます。

2015年に国連サミットで採択された「SDGs」の具体的な目標の中には、海や陸の豊かさを守ることだけでなく、地球で暮らすすべての人が安全に・平等に暮らせることが含まれています。
これを経済面で実現するためには、単純に商品そのものがエコであるだけでは足らず、人々の生活や社会・経済に関わる暮らしのすべてを快適にすることが求められます。

普段、わたしたちがお店で商品を購入する場合、直接商品を目に目にするのはスーパー・コンビニなどの小売店です。
しかし、小売店は加工業者から商品を仕入れていますし、その商品は流通網に乗って加工業者に渡ります。
そして、どんな商品でも流通のスタートとなるのは、商品の原材料を生産している生産者です。

生産者・流通業者・加工業者・販売店といった、消費者が商品を手に取るまでに関与するすべての事業者が、環境面・社会面・経済面に配慮していて初めて「サステナブルな商品」を名乗ることができるのです。

参考:
これがサステナブルな商品の目印!「認証ラベル」とは

食品/飲料のサステナブル商品

コーヒー農園で働く人
食品/飲料分野におけるサステナブル商品を探す際の基本的なスタンスは、いわゆる「サステナブルフード」とは何なのかを知ろうとすることにあります。
サステナブルフードを正しくとらえるには、素材だけでなく、フードロス(食品ロス)や食をめぐる労働問題などに配慮しているかどうかも重要なポイントになります。
迷った場合は、たとえば以下のようなケースを目安にして考えてみましょう。

認証コーヒー

多くの国・地域で飲用されているコーヒーですが、その生産・流通過程は非常に複雑なことで知られています。
生産地域に発展途上国が多いことから、児童労働などの人権問題に発展しやすい現状があり、実際に生産者側が得られるお金は商品者の支払代金の1%とも言われています。

また、大規模なプランテーションによるコーヒーの単一栽培は、土壌の枯渇・病害虫発生・生態系の破壊といった環境問題も生んでいます。
これらの問題を解消する目的で設けられた認証制度の基準を満たしたコーヒーは「認証コーヒー」と呼ばれ、消費者が認証コーヒーを購入することで、環境問題・生産者の生活改善へとつながっていきます。

代替肉

塊の肉・ハム
家畜の排せつ物が地球温暖化・水源汚染などに関係していることが分かってから、畜産業が環境に与えるダメージは広く認知されるようになりました。
また、家畜を屠殺することの残酷さが情報としてシェアされるなど、動物愛護(アニマルウェルフェア)の観点からも肉食を控える動きが世界中で進んでいます。

そのような事情から、大豆・小麦などを主原料とした、肉の代わりになる食材「代替肉」が注目を集めるようになりました。
植物由来の代替肉は、地球規模の人口増加に対応できるタンパク質としても期待されています。

サステナブル・シーフード

世界中で魚が消費されるようになったことで、水産資源は減少傾向にあります。
天然水産物の漁獲だけに頼らないため、養殖も多くの国で行われるようになりましたが、需要増に伴い水質汚染などの問題も表に出てきました。

そこで、天然水産物はMSC認証・養殖水産物はASC認証という形で、漁獲量・環境保全に配慮した漁業によって得られた水産物を認証する動きが生まれます。
これらの水産物は「サステナブル・シーフード」と呼ばれ、小売店なåどで見かける際には分かりやすいようにラベリングされています。

Marine Stewardship Council(海洋管理協議会)
Aquaculture Stewardship Council(水産養殖管理協議会)

フードバンク

生産・加工される食品の中には、何らかの事情で消費者の胃袋に届かないものもあります。
平成29年度における農林水産省の推計値では、日本の食品廃棄量は年間2,550tとなっており、世界規模では年間13億t以上とも言われています。

食品廃棄物等の利用状況等|農林水産省
食品ロス量(平成30年度推計値)の公表|農林水産省
食品ロスの現状を知る|農林水産省

廃棄される食品の中には、形や大きさが廃棄の原因である「規格外品」や、賞味期限が近づいてきて捨てられてしまうものも少なくありません。
これらの食品を必要としている人・施設に無償で提供する活動のことをフードバンクといい、フードバンクの活動に関与することが、間接的にサステナブルな社会をつくることに結びついていきます。

雑草

道端で見かける雑草の中には、美味しく食べられて、しかも栄養価の高いものがあります。
かつてはよく食べられていたものもありますが、現代人にとって雑草は「駆除すべきもの」であり、その価値を理解している人は少数派になりつつあります。

実は、公道の脇に生えている雑草は、誰の所有物でもないため、自由に採取して構いません。
居住者が食べるために雑草を刈り取れば、環境整備にもなって一石二鳥ですし、食糧問題を解決する点でも魅力的な選択肢です。

日用雑貨品のサステナブル商品

ステーショナリー
サステナブルな雑貨を探そうと思った時、専門店を探そうとする人は多いかもしれません。
しかし、サステナブル商品は、専門店でしか手に入らないとは限りません。
例えば、以下のようなお店でも、サステナブルな日用雑貨を手に入れることができるのです。

無印良品

シンプルな見た目が特長の無印良品の商品ですが、見た目だけでなく素材にも同じことが言えます。
紡績工場で捨てられるはずの繊維の短い「落ちワタ」をふきんとしてリサイクルしたり、自社製品の染め直しをしたりと、素材に対する配慮がきちんと消費者にも届いているのが印象的です。

IKEA

デザインが美しいIKEAの商品ですが、サステナビリティの観点からも、消費者は安心して買い物を楽しむことができます。
生産工程で余った素材を利用した枕、ペットボトル再生樹脂を使用したラグ、自社製品の買い取りサービスなど、素材・サービスの観点からサステナブルにこだわっていることが分かります。

ニトリ

「お、ねだん以上。」のキャッチコピー通り、利便性・アイデアからサステナビリティを実現している商品が多く見られます。
具体的には、繰り返し利用できる消臭除湿シートや、何度も使えるアルミストローなどの商品があげられます。

3COINS

格安のアイデア雑貨が購入でき、消費者は「かゆいところに手が届く」便利さを体感できます。
例えば、ラップを使い捨てにしないという発想が秀逸のシリコーンラップは、本来の用途だけでなく、ビンのオープナー・器のすべり止めとしても使えます。

ビューティ/美容のサステナブル商品

手作りせっけん
毎日使うものだからこそ、身体に優しい素材を探したいと思うのは当然のこと。
サステナビリティに配慮した商品を探せば、自然とその答えが見つかるはずです。
以下にご紹介する企業の商品から、ヒントが見つかれば幸いです。

シャボン玉せっけん

「健康な体ときれいな水を守る」という企業理念から、人と環境にやさしい無添加せっけんを作り続けてきたことで知られています。
酸化防止剤・着色料・香料・合成界面活性剤を使用せず作られたせっけんは、天然の保湿成分を含んでおり、老若男女問わず使える柔軟性が魅力です。
排水に含まれるせっけんカスは、微生物・魚のえさとなりますから、消費者は環境への影響を気にせず使うことができます。

シャンソン化粧品

古くから化粧品の品質・安定性が評価されている日本企業の一つで、石油系乳化剤・紫外線吸収剤を使用していないUVプロテクトミルクは、肌への負担を軽減するだけでなく、サンゴ礁の保護にもつながります。
また、女性の社会進出・女子スポーツ会の振興など、ジェンダー平等の実現に向けて古くから取り組んできた実績があります。

エティーク

原料からパッケージまで、すべてにサステナブルであることにこだわったシャンプーバーで有名なブランドです。
液体製品に必要なプラスチックボトルを排除するため、シャンプー・コンディショナーなどを固形化するという発想は、とてもユニークに感じられます。
植物由来・ノンシリコンですから、頭皮や髪への負担が気になる人も、安心してシャンプーすることができます。

おわりに

サステナブルな商品を探そうと思うのであれば、一つひとつの商品を詳しく知ろうとする好奇心が、何より大切かもしれません。
身の回りの問題に目を向けつつ、自分が必要なものを・必要なだけ購入しようと心掛けるだけでも、得られる情報量が違ってきます。

また、サステナブルであることは、必ずしも高価であることを意味しません。
まずは、普段の生活で無理なく手に入るものの中から、商品を探してみて欲しいと思います。

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