エシカル消費は実は簡単?環境に配慮した身近な取り組みにチャレンジ
なんとなくむずかしそうなイメージがある「エシカル消費」。
実はオーガニックの製品を購入したり、地産地消を意識して食べ物を選んだりすることもエシカル消費のひとつであり、誰もが取り入れられるアクションです。
この記事ではエシカル消費をわかりやすく解説し、どのような行動・選択がエシカル消費になるのかについてご紹介します。
エシカル消費とは?
エシカルとは「倫理的」「道徳上」を意味する言葉であり、SDGsを語る際に使われるときは「環境や社会に配慮したさま」を表します。エシカル消費は直訳すると「倫理的な消費」、つまり人・社会・環境にやさしい商品やサービスを選ぶ消費活動です。
エシカル消費は間口が広く、さまざまなキーワードが含まれます。
「エシカル」という大きな傘の下には、
・フェアトレード
・オーガニック
・地産地消
・伝統工芸
・動物福祉
・支援や寄付ができる商品
・リサイクルやアップサイクル
・エシカル金融
など幅広い消費の形があり、ライフスタイルや価値観あわせて自分にあった消費の形をみつけられるはずです。
SDGsの関連ワードとして「エシカル」のほかに、「持続可能な」を意味する形容詞「サステナブル」も存在し、同じような意味をもつ言葉として一緒くたにされがち。
エシカルはサービスや製品が消費者のもとに届くまでの過程に注目し、環境への配慮だけではなく、児童労働問題や労働搾取など人権への配慮をより重視します。
倫理観をより重視した選択がエシカルであり、サステナブルはエシカルを包括するように存在し結びつきの強い言葉です。
エシカル消費=より良く・心地のいい選択
従来の消費活動の基準は、安心・安全(健康にいい)、品質(おいしい)、価格(安い)の3つが基本でした。
SDGsの意識が浸透してきた現在、もう一つの尺度となる“より良い・心地のいい選択”として、人・社会・環境にやさしい新たな基準をプラスして選ぶようになるはずです。
従来の消費基準 | ・安心と安全(健康にいい、糖質が低い、栄養価が高い) ・品質(おいしい、保存がきく、素材にこだわっている) ・価格(安い、適正価格) |
これからの消費基準 | ■環境にやさしい ・再生可能な新素材を採用 ・輸送、製造過程で温室効果ガスの抑制 ・環境保護の取り組みを実施 ■人にやさしい ・児童労働を禁止 ・労働に対する適正な賃金が支払われている ・寄付や支援に繋がる商品 ■社会にやさしい ・地元食材の地産地消 ・復興支援につながる商品 ・伝統工芸品の購入 |
人や社会、環境にやさしい商品やサービスを選ぶことは、体と心を豊かにする心地のいい選択といえます。消費者である私たちが商品やサービスの価値を享受するだけではなく、携わった遠い国の人の生活がより良くなる支えにもなっているのです。
身近なこんなこともエシカル消費!
エシカル消費を実現する初めのステップとして、商品やサービスを選ぶときに環境・人・社会への3つの配慮を思い浮かべてみましょう。
それぞれの消費基準を意識した具体的な行動をご紹介します。
エシカル消費を通じた『環境』への配慮
・エコな素材が採用された商品を購入する
・残った食事の持ち帰り可能な飲食店を選ぶ
・ゴミの分別方法を知る、実行する
・省エネ家電に変える
・自然エネルギーの利用
環境に配慮した商品を選ぶときは、リサイクル素材や循環型素材と呼ばれるエコな素材が採用された商品の認証マークに注目してみましょう。
家電の買い換えは大きな買い物なので今すぐにできることとはいえませんが、冷暖房効果を高めるために遮熱・保温効果のあるカーテンに変えたり電球をLEDに替えたりなど、家のなかでできる省エネ対策はたくさんあります。
エシカル消費を通じた『人』への配慮
・フェアトレード認証を受けた商品を選ぶ
・金額の一部が寄付される商品を選ぶ
・支援につながる商品を選ぶ
フェアトレード認証とは、社会的、環境的、経済的基準について定めた国際フェアトレード基準を満たしていることを証明するラベル。世界的に広く知られる倫理的ラベルのひとつであり、国際フェアトレード認証ラベル付きの商品を購入すると、小規模生産者と労働者の生活とコミュニティの改善をサポートします。
支援につながる代表的な商品である就労支援商品は、障がい者支援や社会復帰を目指す人の支援に。私たちが就労支援商品を購入することが雇用創出につながり、病気や障がい、いじめ、不登校などによって社会生活を営むのが困難な方たちが社会復帰をはかるきっかけになります。
エシカル消費を通じた『社会』への配慮
・地元で生産された野菜や肉、魚を購入する
・旅行のお土産として伝統工芸品を購入する
・地元のお店を利用する
・スローフードを意識する
エシカルな消費基準である社会への配慮を意識して商品やサービスを選択すると、健全な地域社会・地域経済づくりに貢献できます。
スローフードとは生産者・消費者・環境のことを考え、おいしい・きれい・正しいをモットーとした食文化を見直すこと。ファストフードとは異なり、食への関心を高めその土地の伝統的な食文化を大切にすることを重要視します。
地産地消は地域経済の活性化につながり、伝統工芸品の購入やスローフードの意識が伝統と生産者を守り健全な社会を育てることにつながるのです。
毎日の暮らしでエシカル消費にチャレンジ!
毎日の暮らしで挑戦できるエシカル消費を具体的にご紹介します。
エシカルを意識したお店やブランドをチェック
エシカルを重視したお店やブランドで買い物をすると、パッと手にとったものがエシカルなアイテムなので、むずかしいことを考えずに楽しくエシカル消費ができます。
楽しくエシカル消費ができるよう、エシカルやサステナブルなSDGsアイテムを集めたポップアップストア「エシカルコンビニ」 が西武・そごうやルミネで期間限定オープンし、話題を集めました。
百貨店や大型商業施設だけではなく、2021年4月には「ITOCHU SDGs STUDIO」と呼ばれる施設を伊藤忠商事が手がけ、エシカルコンビニもオープン。企業によるエシカル消費の呼びかけが加速しそうです。
トレーサビリティ商品や認証マーク付き商品を選ぶ
認証マーク付き商品を選ぶことも立派なエシカル消費です。認証マークは目につきやすいため「エシカルがよくわからない」という方でも無理なくチャレンジできます。
環境・人・社会の3つの基準にあわせて代表的な認証ラベルをチェックしてみましょう。
環境を守る
・エコマーク
・FSC認証
・MSC認証
・ASC認証
・有機JAS
人を守る
・国際フェアトレード認証ラベル
・RSPO認証
社会を守る
・伝統マーク
・Eマーク
お金をかけている趣味・分野から少しずつエシカルを取り入れる
これまでエシカル消費を意識したことがなく、商品やサービスの選択に時間をかけたくないと感じる方は、お金をかけている趣味や分野からエシカルを取り入れることをおすすめします。
毎日欠かさずコーヒーを飲むコーヒー好きの方は、1日3杯のコーヒーのうち1杯をフェアトレードコーヒーに変えてみましょう。
ファッションにこだわりのある方は、毎日着るシャツのうち1枚をオーガニックコットンのシャツに変えるのがおすすめ。
興味のある分野にエシカルを取り入れることで、これまでとは異なる角度から趣味や好きなことについて理解を深められ、抵抗なくエシカル消費にチャレンジできます。
ゼロ・ウェイストという考え方を知ろう
©Kamikatsu Town
ゼロ・ウェイストとは、ゴミや無駄を限りなくゼロに近づけ、限りある資源を枯渇させない仕組みを目指す考え方です。
ゴミを減らすためには身の回りにあるもののなかで本当に必要なものは何かを考える必要があり、断捨離を経てエシカル消費につながるシンプルな暮らしを実現できます。
家庭で多く出されるプラスチックゴミについて減らす意識と同時に、3Rにも意識できると買い物のとき選択の幅が増えエシカル消費につながるはずです。
ゴミ収集所と一体化したホテル 徳島・上勝町が見据える「ゼロ・ウェイスト」の先|ひとまち結び
まとめ
いつもの買い物で認証マークをチェックしたり、大きなスーパーではなく地元の商店街で買い物したりなど、選択を増やす・変えるだけでエシカル消費に。ご紹介したエシカル消費にまつわるアクションをぜひ日常に取り入れてください。
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